12月に入り一気に寒くなってきましたね。
師走に入り、今年も後1ヵ月を切りました。
忙しいこの時期を、乗り切って素敵な一年の締めくくりを迎えたいですね。
さて、本日は厄介な「紙媒体」を自動化したお話です。
業務効率化のご提案にお伺いした際に、「うちの仕事は紙が多いから、なかなか効率化できないんだよね。」というお言葉をよく耳にします。紙情報の電子化といえばすぐに思い浮かぶのはOCRですがこれもなかなか自社に合うOCRの選定は大変で社内の紙媒体については電子契約や、ワークフローシステムなどペーパーレス化が進んできてはいますが、発注やアンケートなどは、まだまだ紙媒体で行っているという話をよくお伺します。企業にとって業務の効率化は、今の時代を生き抜くために必ず必要なことですが、お相手がある業務については本当に悩ましい問題です。
そんな中、紙媒体を無くすのではなく、追加費用をかけずにアイデア一つで上手く効率化させた企業様の事例をご紹介します。
業務の効率化をお考えの皆様には、ぜひご一読いただきたい内容です。
紙媒体を無くせない理由
今回ご紹介するL社は、通販などで食品を販売している企業様です。老若男女問わず幅広い層のお客様をお持ちなので、それぞれの年代に合った購入方法や事務手続きを複数準備されています。主に年配の方向けに準備している紙媒体の手続きは、需要があるため簡単には廃止できません。
ですが、これが結構なボリューム。そして、その中でも一番大変な作業が“お客様の声ハガキ”の集計です。色々なご意見や感想をハガキに書いて送っていただくものなのですが、商品の分析、お客様の分析、お客様個人の履歴、お客様への謝礼としてポイント付与など、ハガキから派生する作業は膨大です。担当者は、複数のシステムにそれぞれの情報を入力する必要があるため、ハガキ1枚処理するために5分以上かかります。ありがたいことに、このハガキが何十枚も届いた日には…恐ろしい作業量が発生してしまうのです!
紙は無くせないけれど、作業の手間は無くせる
この作業を担当していたKさんは、効率化の方法を長年模索していました。まず検討したのはOCR(紙媒体を読み取って電子化するもの)ですが、ハガキの特性から読み取り精度が上がらず断念。ハガキのフォーマットを変えたり、そもそもハガキ自体をなくしたらどうなのか?という検証もしましたが、思うような結果は得られませんでした。
そんな中、目を付けたのが他部署で使っていたRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)でした。パソコンの業務をソフトウェアロボットが自動で行うものです。「紙媒体の効率化にRPA?!」と、みんながその発想に驚きましたが、「作業をなくすのではなく、効率化を図るだけ。」Kさんは、時間がかかっている理由である複数のシステムへの入力を効率化しようと考えたのです。
具体的な手法
実際に次の方法で、Kさんは1件につき5分以上かかっていた作業を、1分以内に短縮させました。
- 専用のExcelにハガキ情報を入力。
- RPAがその情報を複数のシステムに転記。状況に応じてポイントの付与作業まで行う。
つまり、一番時間のかからない方法で紙媒体の電子化を行い、煩雑な転記作業をRPAに任せたのです。たったこれだけで、作業量は5分の1以下に!
「実は、やってみる前までは、どうせ人が入力するのだから大した効率化にはならないかもなんて思っていました。」とKさんは言います。「ですが、実際は想像以上の時間の短縮に!しかも、他の業務で利用しているRPAの空き時間を活用することで、実質追加コスト無く効率化が実現したことになります。他にも同じようにコストをかけずに効率化できる業務がないか、目を光らせています。」
Kさんのお陰で、業務の効率化はますます推進されそうです。
おわりに
いかがでしたでしょうか?L社はちょっとした発想の転換で、作業量を大幅に削減することができましたが、皆さんの会社にも同じような業務はありませんか?「ありそうだけれど、本当に効率化できるのかな?」そう思われた方は、まず一度、弊社のコンサルタントにご相談してみてください。業務の洗い出しや洗い出した業務の自動化優先度等を診断する業務診断なども無料で行っています。お気軽にお問い合わせください。